【2025年版・詳細解説】中小企業新事業進出補助金 獲得への完全ガイド

Friday, September 05, 2025

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阿久津和宏

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【2025年版・詳細解説】中小企業新事業進出補助金 獲得への完全ガイド

目的・背景:なぜ今、新事業への挑戦が求められるのか?

中小企業新事業進出補助金は、厳しい経営環境に直面する多くの中小企業が、未来に向けて大きな一歩を踏み出すための強力な支援策です。 [2] この補助金の目的は、中小企業が既存の事業とは異なる新しい分野へ挑戦し、新市場を開拓したり、高付加価値な事業へ進出したりすることを後押しすることにあります。 [1, 2]

これにより、個々の企業が成長し、生産性を向上させるだけでなく、最終的には従業員の皆様への「賃上げ」につなげていくことを国全体として目指しています。 [1] 言い換えれば、これは単なる設備投資の補助ではなく、企業の変革と成長を促し、日本経済全体の活力を高めるための戦略的な投資なのです。 [3] もしあなたが「今の事業だけでは将来が不安だ」「新しいアイデアを実現したいが資金が…」と考えているなら、この補助金はまさにあなたのための制度と言えるでしょう。

Step 1:あなたの会社は補助金を受けられるか?【詳細チェックリスト】

この補助金に申請できるのは、日本国内に本社と事業実施場所を持つ「中小企業者」等が対象です。 [4, 6] ご自身が対象になるかどうか、以下の詳細な条件でしっかりと確認していきましょう。

【要件1】中小企業者等の定義

まず基本として、資本金と常勤従業員数のいずれかが下表の基準を満たしている必要があります。

業種資本金常勤の従業員数
製造業・建設業・運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く)5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下

【要件2】補助対象外ではないことの確認

たとえ中小企業の定義に当てはまっても、以下に該当する場合は対象外となります。非常に重要なポイントですので、一つひとつ確認してください。

  • 従業員数が0名の事業者:賃上げが本補助金の重要な要件であるため、応募時点で常勤・非常勤を問わず従業員が一人もいない事業者は対象外です。 [4, 7]
  • 実質的な大企業(みなし大企業):大企業が実質的に経営を支配していると見なされる場合です。例えば、
    • 発行済株式の1/2以上を一つの大企業が所有している。
    • 発行済株式の2/3以上を複数の大企業が所有している。
    • 役員総数の1/2以上を大企業の役員または職員が兼任している。
  • 創業1年未満の事業者:新規設立または創業してから1年に満たない事業者は対象外です。 [7]
  • 大規模補助金の採択事業者:申請締切日から遡って16か月以内に、「事業再構築補助金」または「ものづくり補助金」に採択された(または事業実施中の)事業者は申請できません。 [5, 8]
  • みなし同一事業者:親会社と子会社(議決権50%以上保有)、代表者や住所が同一の複数法人などは、実質的に同一の事業者と見なされ、その中から1社しか申請できません。 [10]
  • その他:法人格のない任意団体、収益事業を行っていない法人、政治団体、宗教法人、暴力団関係者なども対象外です。 [7]

これらの条件をすべてクリアしていることを確認した上で、次のステップに進んでください。

Step 2:どんな事業計画が求められるか?【詳細解説】

この補助金は、3〜5年間の明確な事業計画を立て、以下の7つの基本要件をすべて満たす必要があります。 [1] 特に目標未達の場合に補助金の返還義務が生じる要件もあるため、計画は慎重に策定しましょう。 [3, 7]

  1. 【最重要】新事業進出要件
    これが審査の核となる要件です。単なる既存事業の延長線上にある取り組みでは認められません。
    • 製品等の新規性:自社にとって初めて取り組む製品やサービスである必要があります。
      • NG例:既存製品の製造量を増やすだけ、過去に製造していた製品を再製造する、既存製品の製造方法をデジタル化するだけ、といったケースは「新規性なし」と判断されます。 [21]
      • 低評価になる例:既存製品に単純な組み合わせや容易な改変を加えただけのもの、自社の事業実態から見て容易に製造できるものは評価が低くなります。 [22]
    • 市場の新規性:既存事業ではターゲットにしてこなかった新しい顧客層を開拓することが求められます。
      • NG例:既存の顧客に代替品を提供するだけ(例:アイスクリーム屋がかき氷を売る)、取引先の要請で既存製品を小型化するだけ、単に商圏が異なるだけ(例:A駅前とB駅前)、といったケースは「新規性なし」と判断されます。 [23]
    • 売上高要件:事業終了後、新規事業の売上が会社全体の売上高の10%以上(または付加価値額の15%以上)を占める計画であること。 [20]
  2. 付加価値額要件:事業終了後3〜5年で、付加価値額の年平均成長率が4.0%以上になる事業計画を策定すること。 (付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費) [24]
  3. 賃上げ要件(未達の場合、一部返還の可能性あり):事業終了後3〜5年で、給与支給総額の年平均成長率が2.5%以上になる、などの基準を満たすこと。 [25]
  4. 事業場内最賃水準要件(未達の場合、一部返還の可能性あり):事業場内の最低賃金が、地域別最低賃金より常に+30円以上高い水準を維持すること。 [26]
  5. ワークライフバランス要件:次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、公表していること。これは「両立支援のひろば」ウェブサイトで公表でき、手続きに1〜2週間かかるため早めに準備しましょう。 [26]
  6. 金融機関要件:金融機関から融資を受ける場合、その金融機関から事業計画の確認書をもらう必要があります。 [27]
  7. 賃上げ特例要件(特例を受ける場合):補助上限額の増額特例を受ける場合、給与支給総額を年平均+6.0%以上、かつ事業場内最低賃金を年額+50円以上引き上げる計画が必要です。 [27]

Step 3:補助金額と補助率:あなたの事業はいくら受け取れる?

補助金額は従業員数に応じて変動し、補助率は一律で1/2です。 [11] 補助下限額は750万円なので、最低でも1,500万円以上の投資計画が必要となります。 [2, 7, 31]

常勤の従業員数補助上限額(通常)補助上限額(大幅な賃上げ特例適用時)
〜20人2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人〜7,000万円9,000万円

「大幅な賃上げ特例」を適用すると、補助上限額が最大2,000万円上乗せされます。 [10] ただし、この特例の要件を達成できなかった場合は、増額分の全額返還が求められるため、実現可能性を十分に検討した上で申請しましょう。 [27]

Step 4:何にお金を使えるのか?対象経費の【詳細リスト】

この補助金で使える経費は幅広く設定されていますが、必ず「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかを含む必要があります。 [6, 14] ここでは、対象となる経費とならない経費の具体例を詳しく見ていきましょう。

【主要経費】※いずれか必須

  • 機械装置・システム構築費:事業に専ら使用される機械や装置、専用ソフトウェア、情報システム等の購入・製作・構築・改良・据付・運搬費用。
    • 対象外の例:「船舶」「航空機」「車両及び運搬具」、事務用のPC・プリンタ・タブレット・スマートフォン、単価10万円未満の製品、汎用性があり目的外使用になり得るもの。 [14]
  • 建物費:生産施設や販売施設など、事業に必要な建物の建設・改修・撤去費用。
    • 対象外の例:建物の単なる購入や賃貸、不動産賃貸への転用、撤去のみの工事。 [15]

【その他経費】

  • 広告宣伝・販売促進費:開発または提供する製品・サービスの広告(パンフレット、動画等)の作成や、媒体掲載、展示会出展に関する費用。(※補助上限は事業計画1年あたりの売上高見込み額の5%) [18]
  • 外注費:加工や設計、検査などを外部に委託する費用。(※補助上限は補助金額全体の10%) [16]
  • 専門家経費:事業遂行に必要な専門家へのコンサルティング依頼や旅費。(※補助上限100万円、謝金単価に上限あり) [17]
  • 運搬費:購入した機械装置等の運搬料。 [15]
  • 技術導入費:知的財産権等の導入に必要な経費。 [15]
  • 知的財産権等関連経費:特許権等の取得に要する弁理士費用など。 [16]
  • クラウドサービス利用費:サーバーの領域を借りる費用や、サーバー上のサービスを利用する費用など。 [17]

【全般的な注意】補助対象外となる経費

上記の区分に関わらず、以下のような費用は補助対象となりません。

  • 汎用品の購入費:文房具、事務用PCなど。 [19]
  • 各種手数料:振込手数料、公的融資の保証料など。
  • 公租公課:消費税、法人税など。
  • その他:商品券、各種保険料、従業員の人件費、既存事業に流用できる経費など。 [19]

Step 5:採択を勝ち取る!事業計画書作成の【11のポイント】

事業計画書は、審査員に「この事業に投資したい!」と思わせるための、最も重要なプレゼンテーション資料です。 [51] 電子申請システムでは、以下の11の項目について入力が求められます。ただ項目を埋めるのではなく、一貫したストーリーを描くことを意識しましょう。

  1. 既存事業の内容:自社のこれまでの歩み、強み、事業概要を簡潔に説明します。
  2. 補助事業の具体的取組内容:今回の新事業が「新事業進出指針」にどう合致するのか、そして、何を、どのように行うのかを具体的に記述します。
  3. 連携体の必要性(連携申請の場合):なぜ連携が必要なのか、各社の役割分担を明確にします。
  4. 現状分析:自社の置かれている状況を客観的に分析します。SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)を用いて、なぜ今、新事業に取り組む必要があるのかを論理的に説明することが不可欠です。
  5. 新規事業の新市場性・高付加価値性:Step 2で解説した「製品の新規性」「市場の新規性」を、具体的なデータを用いて説得力をもって示します。
  6. 新規事業の有望度:市場の将来性や成長性、競合他社との比較、自社の優位性(参入可能性)を分析し、事業の成功確率が高いことをアピールします。
  7. 事業の実現可能性:事業化までの課題とスケジュール、それを実行するための社内体制(人員計画など)を具体的に示し、計画が絵に描いた餅ではないことを証明します。
  8. 公的補助の必要性:なぜこの事業に国からの補助が必要なのかを説明します。「自社単独ではリスクが高く実行が難しいが、補助があれば地域経済やサプライチェーンにこれだけの良い影響を与えられる」といった視点が重要です。
  9. 政策面:「パートナーシップ構築宣言」や「健康経営優良法人」など、国の政策に貢献する取り組み(加点項目)に該当する場合は、ここでしっかりとアピールします。
  10. 補助対象予定経費:どの経費を、何に、いくら使うのかを積算し、その経費が事業遂行に必要不可欠である理由を説明します。
  11. 収益計画:事業化の見込み、そして付加価値額や賃上げといった補助金の要件を、どのように達成していくのかを具体的な数値計画で示します。

Step 6:申請から受給までのロードマップと必要書類

全体の流れを把握し、計画的に準備を進めましょう。

第1回公募スケジュール

  • 公募開始:2025年4月22日(火)
  • 申請受付:2025年6月17日(火)
  • 応募締切:2025年7月15日(火)18:00
  • 採択発表:2025年10月頃(予定)

申請から受給までの流れと必要書類

  1. 準備段階:GビズIDプライムアカウントの取得 [7, 48]、事業計画の策定、必要書類の準備を進めます。
    書類区分法人個人事業主
    決算書(前年度・前々年度)必須*¹-
    確定申告書(直近)必須必須
    労働者名簿の写し必須必須
    賃上げ計画の表明書必須必須

    *1:2年分の決算書を提出できる場合は添付必須

  2. 応募申請:電子申請システムで事業計画を入力し、準備した書類をアップロードして申請します。 [8, 13]
  3. 審査:事務局による書面審査、および必要に応じて口頭審査が行われます。 [54, 60]
  4. 採択・交付申請:採択決定後、速やかに(原則2か月以内)交付申請を行います。 [30, 31]
  5. 交付決定・事業開始交付決定通知を受け取ってから事業を開始します。交付決定前の発注・契約は補助対象外です。 [11, 32]
  6. 実績報告・補助金受給:事業完了後30日以内に実績報告書を提出。検査を経て補助金が振り込まれます。 [35]
  7. 事業化状況報告:事業完了後5年間、毎年の状況を報告する義務があります。 [36]

まとめ:未来への投資を、今こそ始めよう

中小企業新事業進出補助金は、最大で9,000万円という大規模な支援を受けられる、またとないチャンスです。 [1] もちろん、本解説で見てきたように多くの詳細な要件を満たし、質の高い事業計画書を作成する必要があるため、決して簡単な道のりではありません。しかし、この挑戦そのものが、自社の現状を分析し、未来のビジョンを明確にする絶好の機会となります。

外部の専門家や支援機関の力も借りながら、ぜひこの大きなチャンスを掴んでください。 [14] この補助金を活用してあなたの会社が新たなステージへ飛躍し、力強い成長を遂げることを心から応援しています。

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